ゴンザレス三上
gonzalezmikami
『各曲解説その2曲目』

「midnight alert」
羽毛田さんにアレンジを依頼する時は、まず、僕が自宅で大体の大枠の打ち込み(PCで音楽データを作成する)を行って、そのデータとデモをメールで送る、というところから始まります。羽毛田さんは、その職業柄、豊富な音源と知識を持っていますから、僕のデータを基にして、その上に自らのアレンジを施していきます。でも、中には、僕のデータのままの音源やアレンジになる事もあります。では、何故、アレンジャーに託さず自分一人でやってしまわないのか?という疑問もおこります。
で、その理由は、僕達ゴンチチの音楽に対するありようを表してもいるのです。というのも、僕達ゴンチチは、基本的に二人組です。もしかしたら、一人の方が、機動性が良いし、統一感もあるかもしれません。でも、僕達ゴンチチは、多くの人が共に演奏したり関わったりする事で、それが元の曲を大きく膨らませるのが大好きです。二人組というのは、それの最小単位でもあるのです。つまり、自分以外の他者のフィルターを通す事によって、より多くの豊かさが生まれる事が楽しいし、そしてその時の驚きこそが音楽の醍醐味だと思っているのです。加えて、生まれた楽曲の、一人よがりな側面も回避できます。生まれてくる楽曲の全てがそうである必要はないですが、生まれたその曲の望む方向性が何となく見えてきたら、その示す方向に向かってやるのです。曲自体がそう望めば、多くの人がそれに関わる事にもなりますし、あるいは誰も携わらないという風にもなります。
スタジオでも、誰か一人が、これで絶対に良いという感覚がなければ、多くのスタッフの意見が取り入れられます。最終的に決定するのは僕達ですが、しかし、スタッフやその他の人達の意見によって、その楽曲が刀のように研ぎすまされていく事は事実です。
さて、midnight alertですが、これはほぼ僕のデータのままです。音源は一部変わっていますが。そしてリードギターは、何と、自宅で弾いたデモの音源をそのまま採用しています(楽曲が生まれた時の高揚感や臨場感を感じて頂ける事があれば、多分それが理由でしょう)。それでも羽毛田さんのフィルターを通した事で、とても風通しの良い楽曲になりました。
もっとも、基本は楽曲のパワーです。楽曲の持つパワーが強いと、アレンジャーも演奏者もミキサーも、全てを感動させる事ができます。それは決して間違った方向に行きません。どんな曲もそうあって欲しいと望むのですが。