ゴンザレス三上
gonzalezmikami
『各曲解説その5曲目』

「夕暮れの憂鬱」
北海道のイマージュコンサート帰りの機内から観た夕暮れは、とても奇麗でした。特に、夕日が完全に沈んだ後の、赤いカーテンのような夕空が、うっすらと闇の中に掛かっているのが美しくて、息を呑みました。
夕暮れというのは、心も体も健康であればあるほど、やけに切なく感じるもののようです。そんな夕暮れを観ながら、何処か昔に忘れてきたような、微かな憂鬱を紐解いてみる…。切なさの額縁の中にある、憂鬱。そんな思いに浸っていると、何処かで電話のベルが鳴る…。

4曲目に引き続き、アレンジは、これもキオト君の秀作。
元々、僕が打ち込んだデータには、ピアノが上手く弾けないので、まるで無茶苦茶なピアノソロが入っていました。でも、何度か聴いているうちに、それが逆に面白くなってきたので、実際の録音では、中島ノブユキさんに、少し前衛的なピアノソロを、とのオーダーを出しました。結果、全く期待通りの、素晴らしいソロが出来上がりました。

ピアノソロに続いて出てくるギターソロは、ゴンチチの作品を含め、今までの楽曲の中で一番長い、ギターアドリブとなりました。このアドリブは、ほぼファーストテークを使用していて、少しスパニッシュな雰囲気のアドリブが、ストリングスに絡みながら、延々と続きます。この曲なら、夕暮れ時が過ぎて、あたりが真っ暗になっても、ずっと弾いていられるな、と思えるほど、気持のよい録音でした。なので、実際のギタープレイは、夕暮れ後の、真っ赤なカーテンの空のように情熱的です。

アルバムを作る時に、特に頭をひねって、コンセプト等というものを考えたりはしないのですが、今回はギターを沢山弾いてみよう、という考えは漠然とありました。14年前のソロはとても満足でしたが、少しギターが少なめだったかな、とも思っていたからです。なので、この曲で、沢山のギターアドリブが弾けたのは、とても満足でした。本当は、もっともっと弾いていたかったのですが。

ところで、デジタルビートに絡む、楠君の絶妙な生ハイハットの妙技も随所で
光っており、これも必聴です。