
第3回
私にとってGONTITIとは…… |
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![]() 鬼頭 「PHYSICS」のブックレットに三上さんから松村さんへ、松村さんから三上さんへの手紙というかコラムのようなのがあって、そこで三上さんが松村さんに向けて“彼は生活の散歩者である”みたいなことを書かれているんです。それは、松村さんが自分のことを風流人と言うような部分で、一般的な人間の営みから少し外れた視点で自分の人生を見立てていくっていうことを指していると思うんです。それを僕に教えてくれたのがGONTITIさんですね。例えば、骨董品でもひび割れているところに味があったりとか……。ピカピカで頑丈で整ったリズムの生き方とは違うところを見ている人の音楽。アウトローというか、ある意味ピントがボケてるけど、別の意味ではすごくピントが合っている。聴いていて勝手にシンパシーを感じます(笑)。散歩の延長で自分のリズムで暮らしていけばいいっていうのをストレンジなアレンジから学んだんですよ。それは音楽だけじゃなく、GONTITIさんが書くものだったりトークだったりからも……。GONTITIさんのおかげで、ちょっと外れた観点が肯定された気がするんです。 鈴木 僕は現代音楽をやっているので、アウトロー的な生き方の最果ての地ですね。南極観測隊どころか一人で雪山に登ってる感じ(笑)。 鬼頭 すごい曲をやってますもんね(笑)。そんな鈴木さんにとってGONTITIさんとは? |
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鈴木 GONTITIさんって、「Gontiti recommends『Bossa Nova』」とか「Gontiti recommends『CHORO』」っていうコンピレーションシリーズを出しているでしょ? 鬼頭 ありますね。 鈴木 僕も昔から外国のマニアックな音源を持ってはいるんですけど、その選曲に“すごいな。こんなに音楽をいっぱい聴いているのか!”ってなったんです。すごくアンテナを張り巡らせて、まったく異なるジャンルの音楽を世界中から集めてくる。なんだか、薬草を集めて“はいよ!”って一つにしたサプリメントのよう。困った時はそれを飲んでおけば大丈夫みたいなね(笑)。だから、僕にとっていろいろな音楽との出会いの道筋を作ってくれたのがGONTITIさんですね。 鬼頭 かけ橋みたいな人たち。 鈴木 疲れちゃって何を聴いていいかわかんない時があるんですけど(笑)、でもGONTITIさんを聴いておけば大丈夫!っていうことですよね。 ![]() |
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